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シアター"名画座"で逢いましょう
第15章 二組のカップル
頑なだった広もようやく離婚の決意を固め、広と日菜子の夫妻は自由の身になり、互いのパートナーとの新たな生活を育む事となってゆく。
「離婚届は…」
「それは明日…あ、いえ、もう今日ですね…
私が区役所に行って取ってきます」
「ああ、妻としての最後の仕事だな
悪いが頼むよ」
「何をお願いしてんのよ、あなたも区役所に行くのよ」
十和子が苛立って広の太ももを叩く。
「えっ?あんな紙切れ一枚もらうだけなんだぜ?日菜子一人でも充分だろ」
「バカね、その場で書面に署名捺印すれば二度手間にならなくて済むじゃない。
それに、あなた一睡もしていないんだから、どうせ今日は仕事になんないでしょ。もう一日有給を取って休みなさいよ」
そんなことを言われると、急激に眠気がやって来る。
妻の日菜子と、その相手の間男との対峙に神経を磨り減らしていたところに、離婚という結末を迎えて弛緩した神経が睡眠を求め始めていた。
「何だか体がダルくて動けそうもないな」
「少し横になりなさいな。区役所が開くまで数時間もあるんだから体を休めるのも必要よ」
十和子は膝枕をしてあげて、広はそのままソファに横になると、急激に眠気に襲われた。
「あなたも少し休んでよ。夜勤明けでしょ?一睡もしないのは体に毒よ」
日菜子はスヤスヤと寝息をたて始めた夫の広を尻目に、立ち上がると朝倉の手を引いて寝室に連れ込んだ。

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