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シアター"名画座"で逢いましょう
第15章 二組のカップル
数年前、セックスレスになるまで夫の広とセックスをしてきた古いベッド…
自分の愛する女が夫とはいえ、このベッドで愛し合ったのがイヤじゃないかしら?と危惧したが、朝倉は、そんなことはお構いなしに、眠気に負けてしまったのか、ベッドに倒れこむように横になると、すぐさまグーグーとイビキをかいて爆睡し始めた。
「疲れてたのよね…おまけに夫と対峙して離婚話まで切り出してくれて…」
無邪気な寝顔…
日菜子は彼に寄り添うようにして同じようにベッドで横になった。
しみじみと朝倉の寝顔を見つめる。
こんなバツイチになろうとしている自分でもいいのかしら?勢いに任せて彼に「日菜子さんと離婚してあげてください」と無理やり言わせてしまったのではないだろうか?
思えば、朝倉が警官だったことと、肉体的な相性の良さ意外、彼の事は何も知らない。
夫の広と離婚したとして、朝倉と上手くやっていけるのかしら?
そんなことを考えると離婚することに躊躇してしまう気持ちが大きくなってくる。
そんないろんな思いをかき消すように、日菜子にも睡魔がやって来る。
日菜子は、そっと朝倉を抱きしめて彼と同じように夢の中に落ちていった。
数時間後、寝室の窓から西陽が射し込んできて、その眩しさに日菜子は目を覚ました。
朝倉といえば、西陽の眩しさなどもろともせずに微動だにせずに起き出す気配はなかった。
スマホで時間を確認すると午後の一時になろうとしていた。
『役所に行かなきゃ…』
離婚の話し合いから時間が経ったので、夫の広が「やっぱり離婚はしない」と言い出しかねなかったけれど、それでも一応、離婚届の用紙だけは手元に持っておきたいと、日菜子は朝倉を起こさないようにベッドを抜け出して身支度を始めた。

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