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愛する男と人妻美香の秘め事
第34章 熊本旅行・終焉(2)
二人の中居さんが淡々と布団を片付ける所を横目に見ながら、顔が真っ赤っかに熱くなるのが驚くほど分かった。耳までも熱い。

(聞かれてたのかな?なんだか恥ずかしいわ)

部屋での朝食を済ませた後、お茶を啜る彼に「チェックアウトの前にお風呂にでも行ってこようかな」と呟いて部屋付きの露店風呂に向かった。今日は曇天の少し肌寒い朝だった。浴衣を脱いで裸になると、さっと山から吹き下ろしてきた冷たい風に鳥肌が立った。タオルを外し、足早に浴槽に浸かる。ゆったりと足を延ばしながらお湯に体を浸すと、不思議に見慣れたはずの上質の里山の景色が新鮮に見えた。

「そうか、昨日は夜だったもんね。気づかなかったわ」

目には赤黄に斑に染まる山の景色、そして耳には鳥の囀りに色を添えるような川のせせらぎが聞こえてきた。すっと体を伸ばし、間仕切りから顔だけ出して下を見た。部屋の真下を流れる川面には秋風に揺られて作られた白い鱗模様、そして曇り空から差し込む朝日の木漏れ日が川面にキラキラと朝の星を作り出している。

「ずっとこうしていたい」と本心から思った。

「み~か~、あんまり、ゆっくりしてられないぞ」

少し長湯をしたのかしら。部屋の中から彼の声が聞こえ、すっと我に返る。

そうね、と呟きながらバスタオルで体を拭き、姿見鏡に全身を映し出す。乳房の先端の突起はゆでられた小豆のように柔らかに丸くなり、形よく整えた艶毛の下の女陰は、男の性器を欲しいがままに吞み込んだ悦楽の記憶を忘れたかのように、密かに暗い翳りを作っている。腰の括れは熟女らしく出始めた腹肉で、その美しかった稜線が消えようとしている。そして、お湯でほんのり紅色に染まった白肌には彼が施した愛跡が幾つも刻まれていることに気づく。それを見て、下腹部がまたジュンと熱くなった。

お風呂から上がると、彼はもう出立準備を済ませ、呑気に畳の上に寝ころびながらスマホをいじっている。私は浴衣を脱ぎ、ジーパンに着替え、少し焦り気味でボストンバッグに荷物を詰める。

「さあ、そろそろ行こうか」

玄関でスニーカーを履きながら、振り返って部屋を見つめる。薄茶色の壁、竹細工で作られた間接照明、床の間に飾られた青磁器、それら全てを記憶に残しておきたい気持ちがそこにはあった。

「来年も来れたらいいな・・でも、きっと無理よね」

「さあな、未来のことは分からないよ」

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