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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第6章 彼女の闇と、彼の影~甘い余韻の後で疼く古傷~
健治はタバコを灰皿に押しつけ、静かに目を閉じた。

(……俺は本気で女を愛することを忘れていた。
いや、そんな資格はないと思っていた)

そんな時、彩香が入社してきた。

控えめで真面目で可愛くて眼鏡をかけた26歳の彼女。

気がつけば、俺も彩香も人知れず惹かれ合い、2年間の片思いが叶った夜——
勢い余って生のまま3度も激しく求めてしまった。

恋愛経験がなく、父親代わりの自分に強く依存し、処女を捧げてくれた彩香。
その純粋さと一途さが愛おしいと同時に、怖くもあった。

彩香の涙、震える声、
「健治さん……大好き」と俺にすがりつく仕草を見ていると、胸が締め付けられる。

もし彩香に子供ができたら、絶対に責任を取る。
逃げたりはしない。それでも、健治の胸には重い疑問が残っていた。

(こんな過去だらけの、傲慢で最低だった俺に……
彩香を本気で愛し、幸せにする資格なんて、本当にあるのか?)

この子を傷つけたくない。
泣かせたくない。

夜風が頰を撫で、遠くで再び汽笛が鳴った。

過去の傲慢で汚れた自分と、今、彩香を本気で愛おしく想うこの気持ち。
そのあまりの落差に、健治は静かに目を閉じた。

夜風が冷たく頰を撫でる中
健治はもう一本タバコに火をつけ、ゆっくりと煙を夜空に溶かした。

彩香の笑顔と、潤んだ瞳が脳裏に浮かんでは消える。

「……彩香」

低く、誰にも聞こえない声で、健治はただその名前を呟いた。
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