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微笑みの悪女
第4章 粛正と言う名の……。
ミジョンとチェ・ソウンを乗せたリムジンは。
バラックとも言えるような平屋の間を抜けて。
荒涼した空地の手前で停まる。
中央部に五本の杭が立つその空地。
外周の一部だけがスタンドのようになり。
そのには多くの軍人、そして後方に民間人と思われる民衆が無言で立っている。
その中央には周りから隔絶されたボックスシ-トのようなスペース。
そのスペースに無言で向かうミジョン。
KC 人民共和国の国民に取ってはこれから何が起こるのかは容易に想像がつく事だった。
だから。
息を飲むようにミジョンの後を歩くチェ・ソウン。
もう止まる事は赦されない。
そんな気がして歩き続けるしかなかった。

そのボックスシ-トのようなスペースには肘掛けの付いた椅子が二つ置いてあるきりだった。
その一つに座るミジョン。
入り口で立つチェ・ソウンに冷たい眼差しで、横に座るように促す。
正直に言えば足が震える思いのチェ・ソウン。
だがもう此処まで来たら。
ミジョンの隣の席に無言で着席する。
と。
やはり無言でスペースのドアと言っていい囲いの一部を外から閉めるSP の一人。
これでスペースの中はミジョンとチェ・ソウンだけの個室となる。
そのまま数分が立つと。
さっきまでチェ・ソウンが着てた作業着のような物を着た五人の男と。
それを囲むような軍人が荒地を。
中央付近の杭の方へと進んで行く。
作業着を着た五人の男達の足取りは目に見えて遅い。
そんな五人を小突くように進ませる軍人達。
五人のうちの誰か、いや全員かも知れない。
泣き叫ぶような声も聴こえてくる。
その光景に。
今まで無表情を貫いてきたチェ・ソウンの表情にも翳りが生じる。
「奴等は多くの人民を苦しめ、その生命さえ奪ってきた極悪人だ、気に病む事はない」
真っ直ぐ前を見据えたまま淡々と呟くミジョン。
その視線の先。
杭に縛りつけられ目隠しをされる五人の男達。
泣き叫び、許しを乞う声が一層大きくなる。
ミジョンの言葉を理解しようと努めるも。
「己の散り際も飾れぬ、見苦しい豚どもだ」
やはり前を向いたまま淡々と呟くミジョン。
言葉の苛烈さとは裏腹に何の感情もない声だ。
そして。
タンタンタンンタンン!
乾いた破裂音が響き。
遠目に見ても五人の男達から血飛沫が飛び散るのがわかる。
顔を背けるのは堪えるが。
思わず両目を瞑ってしまうチェ・ソウン。
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