この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
壊滅の刻
第8章 鎌倉
相模湾に面した鎌倉は悲惨だった。令和の関東大震災の津波が、都内とは異なり、到達。そして、続く富士山の大噴火で火山灰どころか、小さな火山弾までが飛来。由緒ある木造建築が多かった鎌倉は、火山弾で炎上する建物もあり、その後の火山灰の重みによって倒壊する建物も相次ぎ、ミシミシという音がするたびに、どこかの家屋が倒壊していた。
ある意味、絶望しかなかった。
元々貧弱だった交通網は各所で寸断され、遠浅の海岸は、海上からの支援物資の運搬には適さず、太平洋から入る湿った風が雨を生み、火山灰に降りかかることで、火山灰を適宜、火山泥に変え、屋根に積もった火山灰が重みを増し、木造建築が次々に倒壊していった。
救いは、鎌倉が北側に山々を持ち、火山灰の吹込みが、周囲に比べて少なかったことだ。と言っても、平塚や藤沢に比べての話ではあったが。
鎌倉の祖父の家を訪ねていた麻美は、祖父母とともに被災した。
麻美の家は、渋谷区南平台町。令和の関東大震災の際に、都心の渋谷区より鎌倉が安全だという祖父母や両親に言われて、高校が始まる4月4日までの予定で鎌倉の祖父の家にいたのだが、まさかの富士山の噴火という事態で、帰宅することができなくなっていた。
麻美の学校は女子校。だが、近くには男子校があり、そこの男子に昨年のクリスマスイブにコクられて付き合い始めた。
と言っても、難関・名門で厳格な校風で知られる両校だけに、学校帰りにラブホテルで…なんてことはなかった。移動も少し離れて歩いた。少なくとも学校の近くで手をつなぐなんてことはハイリスクだった。両校の生活指導部と生活指導室の先生たちは連携して、取り締まりをしていた。結果、先生同士の間ではカップルができて、結婚するという事態に至って生徒を呆れさせていたが、生徒にとっては、生活指導の先生は怖い存在だった。何より怖いのは『退学』。両校の校則には、『不純異性交遊』は『退学処分』と決められて、明記されていた。
『不純』
誰がそれを判断するのか?それは生活指導の先生。
『不純』と判断されて『退学』になった生徒の話は、尾鰭がついて校内では流布されていた。
先生に手を繋いでいるところを見つかって『退学』になった生徒がいるという噂や、先生が見ているところで談笑していて『退学』になった生徒がいるという噂もあった。
ある意味、絶望しかなかった。
元々貧弱だった交通網は各所で寸断され、遠浅の海岸は、海上からの支援物資の運搬には適さず、太平洋から入る湿った風が雨を生み、火山灰に降りかかることで、火山灰を適宜、火山泥に変え、屋根に積もった火山灰が重みを増し、木造建築が次々に倒壊していった。
救いは、鎌倉が北側に山々を持ち、火山灰の吹込みが、周囲に比べて少なかったことだ。と言っても、平塚や藤沢に比べての話ではあったが。
鎌倉の祖父の家を訪ねていた麻美は、祖父母とともに被災した。
麻美の家は、渋谷区南平台町。令和の関東大震災の際に、都心の渋谷区より鎌倉が安全だという祖父母や両親に言われて、高校が始まる4月4日までの予定で鎌倉の祖父の家にいたのだが、まさかの富士山の噴火という事態で、帰宅することができなくなっていた。
麻美の学校は女子校。だが、近くには男子校があり、そこの男子に昨年のクリスマスイブにコクられて付き合い始めた。
と言っても、難関・名門で厳格な校風で知られる両校だけに、学校帰りにラブホテルで…なんてことはなかった。移動も少し離れて歩いた。少なくとも学校の近くで手をつなぐなんてことはハイリスクだった。両校の生活指導部と生活指導室の先生たちは連携して、取り締まりをしていた。結果、先生同士の間ではカップルができて、結婚するという事態に至って生徒を呆れさせていたが、生徒にとっては、生活指導の先生は怖い存在だった。何より怖いのは『退学』。両校の校則には、『不純異性交遊』は『退学処分』と決められて、明記されていた。
『不純』
誰がそれを判断するのか?それは生活指導の先生。
『不純』と判断されて『退学』になった生徒の話は、尾鰭がついて校内では流布されていた。
先生に手を繋いでいるところを見つかって『退学』になった生徒がいるという噂や、先生が見ているところで談笑していて『退学』になった生徒がいるという噂もあった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


