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あなたの一番になりたいのに
第1章 【こんなにも好きなのに】





見計らったかのようにカンナさんに着信が入る
相手はサツキさんだ
え?出るの?
音を立てずに静かに出ようとしたら止められる
バックハグとか反則だよ
通話も聴こえちゃう
早く戻ってこの後の会議資料に目を通して
欲しいらしい
うん…うん…と相槌だけを打ち、髪を除けて
首筋にキスしてきた



声を出さないよう細心の注意を払って必死なのに
うなじらへんにキスして
「わかった」と返事した瞬間、
後ろから顔を向かせられ唇が重なる……
こんなの、ときめかないわけがない
通話を切ってもキスはやまない
媚薬はまだ続いてる



「ミオは後から出てね、その顔、誰にも見せないように」



こんな顔にしたの、カンナさんじゃないですか
火照る頬を隠して見送る
この会議室来るたびに今日の事を思い出しそう
その日は帰った後、鏡に映る自分の身体を見て
びっくりしてしまった
どれだけつけるのよ……内腿にもある
これ全部、カンナさんのキスの跡……
指でなぞって幸せに浸る



数週間後、大々的に世に出た新作は
宣伝するやいなや在庫切れになるほどの売れ行き
広告塔であるカンナさんのCM動画は勿論、
SNSも全て駆使して着回しなども紹介している
私の着回し術が採用されて嬉しい
ポップアップストアも売れ行きは好調だ
顔出ししているカンナさんは
変装もしないから外を歩けば声が掛かる



私みたいに憧れの眼差しで、
一緒に写真撮るだけで落ちてる
また1人沼った
肩とか腰とか触れてさ、悦ぶファンたち
私もあの中の1人なのかな
有名になって嬉しいはずなのに
時々遠くに感じる
会社の利益が潤う事は良い事なのに
段々と手が届かなくなっていくのかな



そんな考えがよぎると顔に出ちゃうのか
おいでおいで、と手招きされて行くと
「そのコーデ考えたの彼女だから」って紹介される
色々質問されて戸惑ったけど
こういう機会はなかなか無いから貴重だ
笑顔で話す私を見て頭ポンポンしてくるから
周りもキャーキャー言ってくる
カンナさんがそれすると破壊力が半端ないのよ







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