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あなたの一番になりたいのに
第1章 【こんなにも好きなのに】
後悔してももう遅いけど、
自分はこんな優しさにつけ込んだらダメだと
無理やりキスを中断した
再び後退り、壁際まで下がる
目の前に居るのは間違いなくカンナさん
そうだよ、今のがカンナさんのキスで……
この「ミオ」こそがカンナさんの声なの
何で間違えちゃったの?
間違えるはずがないと思い込んで……
「来ないでっ……ください」
そんな顔させたいわけじゃないのに……
どうしても自分は汚れてるって思えて……
「ごめんなさい……」
「キスした事?マリナと…」
やっぱり見られてたんだ
俯くだけで何も言えなくなる
泣いても何も変わらないのに
嗚咽が止まらない
「あんなの事故だよ、ミオが本気じゃない事くらいわかってるよ…誰にでも間違いはあるから」
「違う……その間違いは許しちゃダメです、一番間違えちゃダメな事をしてしまって…うぅ、ごめんなさい」
「もう良いよ、いや、良くないけど……ミオの気持ちは私にあるんでしょ?だったら問題はない」
顔を覆って泣きじゃくってしまった
震える肩を抱いて何度も謝る
「ミオ、お願いだからこっち来て、抱き締めたいの」
「やだ……汚いから」
「ミオは汚くない、ちゃんと上書きするからおいで」
泣き腫らした目で見つめると
好きで好きで堪らない優しい笑顔がそこにはある
恐る恐る近付くと手を引かれて胸の中に飛び込んだ
力強く抱き締められ
「ミオに触れられなくなる事が一番辛いって前に言わなかった?ほら、顔見せて……可愛い顔がパンパンに腫れちゃうぞ?マリナにはもうミオに手を出すなってちゃんと伝えてあるから」
「グスッ…うっ…うぅ…カンナさぁ〜ん…っ」
「うん、だからキスさせて?忘れさせてあげるから」
頬に伝う涙を指で拭われて、視線が重なる
「体調はどう?悪くない?」
「はい…」
「じゃ、今から何もかも上書きするよ?覚悟してね?」
「えっ?でももう朝ですよ?仕事…」
「社長命令で午後から出社で良いよ」
「えぇ……」

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