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想いあふれて
第3章 濡れたシャツ、肌の熱
りつかの異変を心配そうに見つめ、
男はギターをそっとカウンターに立てかけると
りつかのそばにきた。

そっとりつかの髪にふれた。

そして、
りつかがその手の動きに身を委ねているのを確かめてから、
今度はそっと、耳に触れた。

ひくんとりつかの体が跳ねた。

それは恐怖からではなかった。
快楽の予感からくる悦びの反応の断片だ。

耳に触れた指先が、濡れた髪の束を耳に掛ける。

露わになった頬を、指でなぞる。

二人の視線が絡み合う。

男の瞳は茶色く澄んでいて、
まっすぐにりつかを捕えている。

その瞳がたずねていることの意味が、
りつかには理解できた。

いま二人は
結ばれようとしている。
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