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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
りつかと目が合うと、彼は爽やかな笑顔を浮かべた。
日に焼けた肌に、白い歯が映える。

太陽の恵みを全身に浴び、
健康そのものといった感じの男性だった。


ドアを開いて迎えると、
男はりつかの前をすたすたと通り過ぎて店に入り、
カウンターにダンボールを置くと次々と食材を並べ始めた。


「花ちゃんに頼まれた食材。まずこれ。
 千葉の豚肉っていっても、
 色んな銘柄があるから今日はその一部ね。
 あとニンジンでしょ、玉ねぎでしょ。
 トマトも持ってきたよ。
 それと・・・ハーブも、はちみつもね」

りつかは、男の背中を思わず見つめた。

まるで旧知の仲のような態度の
アロハシャツを着たその男は、
りつかより五歳くらい年上にも見えるが、
引き締まった腕や立ち姿は若々しく、
日ごろ鍛えていることを感じさせた。


花が話していた通り、
カメラの仕事も同時にしているのだろうか、
ケースを被せた一眼レフカメラを肩から下げていた。


「・・・ていうかさ」

男が突然振り返って、りつかを見つめた。

不意に向けられた無邪気な瞳に、
りつかは戸惑った。
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