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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
「すげえおいしそうな匂いだね」
言うと男はまた、にっこりと笑った。
目尻のしわが、
年齢を重ねた証しというよりも、チャーミングさを醸し出す。
「カレーなのにさ、甘くて香ばしい匂いもするじゃん」
男は言って、カメラをカウンターに置くと、
奥の厨房に入って鍋を覗き込んだ。
「わかりますか?
チキンカレーに、煮込んだピーナッツが
隠し味で入ってるんです」
りつかが少し嬉しくなって言うと、
男は鍋から顔を上げ、目を丸くして見せ、
りつかにむかって指さす。
「天才じゃん・・・。で、カレーの天才、名前は?」
「吉乃りつかです」
「俺、松永信忠。信でいいから」
そう言うと信忠は、
まだ客席の方に立っているりつかに、
段ボールを指さして続けた。
「そこに、ライムも入ってるから取って」
言われるがままに段ボールからライムの袋を取り出して渡した。
信忠はまるで自分のキッチンで料理するかように
よどみない動作でライムを櫛切りにし、
手近な皿に並べるとカウンターに置いた。
「ちょっときて、ここ座って、りっちゃん」
言うと男はまた、にっこりと笑った。
目尻のしわが、
年齢を重ねた証しというよりも、チャーミングさを醸し出す。
「カレーなのにさ、甘くて香ばしい匂いもするじゃん」
男は言って、カメラをカウンターに置くと、
奥の厨房に入って鍋を覗き込んだ。
「わかりますか?
チキンカレーに、煮込んだピーナッツが
隠し味で入ってるんです」
りつかが少し嬉しくなって言うと、
男は鍋から顔を上げ、目を丸くして見せ、
りつかにむかって指さす。
「天才じゃん・・・。で、カレーの天才、名前は?」
「吉乃りつかです」
「俺、松永信忠。信でいいから」
そう言うと信忠は、
まだ客席の方に立っているりつかに、
段ボールを指さして続けた。
「そこに、ライムも入ってるから取って」
言われるがままに段ボールからライムの袋を取り出して渡した。
信忠はまるで自分のキッチンで料理するかように
よどみない動作でライムを櫛切りにし、
手近な皿に並べるとカウンターに置いた。
「ちょっときて、ここ座って、りっちゃん」

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