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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息


表向きはメニュー開発のための研究ではあるけど、
大人同士がじゃれあって、
ばかげた遊びに興じているようでもあった。

信忠が参加したことでカレー作りは思いのほか楽しくなったし、
アイデアを出し合うことで個性が光る美味しいカレーができつつあった。




試食を繰り返すうちに、満腹になった。

客席の椅子にもたれ、
テラス席へと繋がる大きな窓から、
空を眺める信忠の横顔を見やる。

オレンジ色の夕焼けを映したその顔は、
ゆったりとくつろいで見える。


「りっちゃんといると、時間があっという間だな」

信忠は言うと、立ち上がって
カウンターに置きっぱなしにしてあったカメラを手に取った。

デジタル一眼レフを左手で支えるように持ち、
りつかのほうにレンズを向けてシャッターを切る。


「ねえりっちゃん、
 なんでこんな人里離れた場所に
 一人で引っ越してきたの」

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