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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
信忠がカメラを構えたまま言った。
直接見つめられるのとは違って、
二人の間に
カメラという一つのクッションがあるように感じたりつかは、
心なしかいつもよりも素直に信忠の問いに答えた。
「恋人・・・的な人に、裏切られて」
「そっか」
信忠は一度カメラを胸元に下ろし、
りつかを眺めた。
「ごめんなさい、突然そんな重たいこと言って」
りつかはうつむいたが、
信忠はそれに応えもせず、
再びカメラを構えて言った。
「サンセットがいい感じだから、撮るよ」
「いいけど、私は撮らないで」
りつかは
日焼け止めを塗った程度のベースメイクしかしていない顔を
隠すようにうつむいた。
「りっちゃんを撮りたいんだよ、
すごくいい色なんだ・・・
ほら、窓の方向いて。俺に背中向けて」
信忠の有無を言わせない勢いに押され、
顔を撮られないのであれば───と、
普段着のリゾートワンピース姿で申し訳ない思いで、
窓の前に立つ。
トンビが浮かぶ空は、
上がオレンジ色で下が紫色に染まっている。
信忠が言うように本当に美しい空の色だった。
「りっちゃん、ワンピースの前のボタンはずして」
直接見つめられるのとは違って、
二人の間に
カメラという一つのクッションがあるように感じたりつかは、
心なしかいつもよりも素直に信忠の問いに答えた。
「恋人・・・的な人に、裏切られて」
「そっか」
信忠は一度カメラを胸元に下ろし、
りつかを眺めた。
「ごめんなさい、突然そんな重たいこと言って」
りつかはうつむいたが、
信忠はそれに応えもせず、
再びカメラを構えて言った。
「サンセットがいい感じだから、撮るよ」
「いいけど、私は撮らないで」
りつかは
日焼け止めを塗った程度のベースメイクしかしていない顔を
隠すようにうつむいた。
「りっちゃんを撮りたいんだよ、
すごくいい色なんだ・・・
ほら、窓の方向いて。俺に背中向けて」
信忠の有無を言わせない勢いに押され、
顔を撮られないのであれば───と、
普段着のリゾートワンピース姿で申し訳ない思いで、
窓の前に立つ。
トンビが浮かぶ空は、
上がオレンジ色で下が紫色に染まっている。
信忠が言うように本当に美しい空の色だった。
「りっちゃん、ワンピースの前のボタンはずして」

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