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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
信忠があまりにさらりとした言い方で
大胆なことを言ってのけたので、
りつかはその言葉の意味を掴みかね、
しばらくの間彼の顔を見て硬直した。

「・・・それはちょっと」

「この綺麗な空の色もあと何分かだよ。
りっちゃん、早く、いますごく綺麗だ」

りつかは戸惑い、
信忠に背を向けたまま佇む。

初めて会う男にそそのかされて素肌を晒そうなんて、
まともな女がやることじゃない。

りつかはボタンに触れ
しばらくの間そのまま夕映えの空を見ていた。

先ほどよりも紫色が、
より深く沈んだ色に変わっている。

───いますごく綺麗だ、

という信忠の先ほどの言葉が、
りつかの背中をそっと押してくるようだった。

信忠に背を向けたまま、
思い切って、ボタンを三つ外した。
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