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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
ブラが見えるひとつ手前の位置まで前がはだけ、
胸のふくらみの曲線が露わになったのを、
りつか自身が見下ろしている。

「下ろして、肩を少し出してみて」

信忠は無謀でぶしつけなお願いを、
あまりにもさりげなく言ってのけた。

りつかは信忠を振り返り、
たしなめるように軽くにらんで見せた。

信忠はりつかの反応を気にも留めず
ファインダーを覗き込んだまま、
何度かシャッターを切った。

「りっちゃん、そのまま。俺を見て、肩を見せて」



信忠のレンズ越しの視線と、
りつかの眼差しが絡み合う。

そのとき、りつかの胸を満たしたのは、
これまでに味わったことのない感情だった。
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