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想いあふれて
第5章 耳元でささやく声、心溶かす響き
紫苑のそばで眠りにつき、彼の声にいざなわれて絶頂に達する女性が、他にいた。
───嫉妬。
りつかは不意に、啓といるときの自分を思い、小さく息を呑んだ。
りつかはよく、啓に抱かれながら「奥さんに嫉妬されるだろうな」と想像した。
すると、愉悦の輪郭がくっきりと際立つ心地がしたものだった。
啓と妻はセックスレスだと聞かされていたから、「こんなふうに啓と愛し合えるのは自分だけ」と、どこか強気になっていた。けれども、セックスレスは、実際にはりつかが離れて行かないための、啓の方便に過ぎなかった。その証に、啓は妻との間に子を授かった。
嫉妬をするのは辛い。けど、嫉妬させる側には、させる側特有の快感がある。
誰かに嫉妬される、その甘い毒の香りのせいで、りつかは啓のそばから離れられなくなったのだ。
啓は偽りの甘い毒をりつかの鼻先にちらつかせ、不倫の沼に引きずり込んだのだ。
「・・・りつかさんの寝顔、すごく可愛かったよ」
紫苑は言って、りつかの首筋にキスをした。
紫苑の手に導かれ、いつの間にかベージュのスラックスは寝室のフローリングの上に落ち、藤色のレースのストリングショーツが露わになっている。
───嫉妬。
りつかは不意に、啓といるときの自分を思い、小さく息を呑んだ。
りつかはよく、啓に抱かれながら「奥さんに嫉妬されるだろうな」と想像した。
すると、愉悦の輪郭がくっきりと際立つ心地がしたものだった。
啓と妻はセックスレスだと聞かされていたから、「こんなふうに啓と愛し合えるのは自分だけ」と、どこか強気になっていた。けれども、セックスレスは、実際にはりつかが離れて行かないための、啓の方便に過ぎなかった。その証に、啓は妻との間に子を授かった。
嫉妬をするのは辛い。けど、嫉妬させる側には、させる側特有の快感がある。
誰かに嫉妬される、その甘い毒の香りのせいで、りつかは啓のそばから離れられなくなったのだ。
啓は偽りの甘い毒をりつかの鼻先にちらつかせ、不倫の沼に引きずり込んだのだ。
「・・・りつかさんの寝顔、すごく可愛かったよ」
紫苑は言って、りつかの首筋にキスをした。
紫苑の手に導かれ、いつの間にかベージュのスラックスは寝室のフローリングの上に落ち、藤色のレースのストリングショーツが露わになっている。

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