この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
想いあふれて
第6章 唇に触れる優しい恋、胸を過ぎる強い風
砂交じりの風が絡む長い髪を掻き上げて、りつかに微笑む。
りつかは小さく首を振ってごまかした。
女性がサングラスをずらしてりつかを見る。丁寧にメイクが施された美しい睫毛を伏せ、それとなく上から下まで値踏みするように視線が動いた。
彼女の視線とまじりあって、砂を抱いた湿った風はりつかの肌をざわつかせる。早くこの二人の時間がすぎないかと、りつかは視線を泳がせた。
ウエットスーツ姿の信忠がボードを携え、髪から滴を垂らして砂の上を歩いてきた。
「信忠、やっぱりここにいたのね」
女性が言うと、信忠も満面の笑みで手を上げて答えた。
りつかが二人の邪魔にならないようにその場を離れようとしたが、信忠は引き留めるようにりつかと手をつないだ。
「悪い。じつはさ、俺、もうこの子に惚れてるんだ」
信忠は女性に向かって悪びれる様子もなく言うと嬉しそうに続けた。
「どうしようもなく好きになっちゃってさ」
りつかは突然の信忠の言葉に驚き、その顔をじっと見つめてしまう。
「はっ? 信忠、どうしちゃったの急に・・・やあだ」
女性はおかしそうに笑った。
「だからもう、連絡は、なしで」
まるで遊ぶ約束をキャンセルする軽さで肩をすくめる信忠に、女は顔から笑いを消し去り、くるりと背を向けた。
去り際に聞こえよがしに「つまらない男」と言い捨てて、海水浴場の駐車場に停めたレクサス ESに乗り込み、勢いよくドアを閉めた。
「信さん、今の、あの人は?」
「あれ、高校の同級生」
車で走り去るのを目で見送りながら、信忠は言った。
「彼女さんじゃないの?」
「いや・・・どうだろ。あいつ、旦那さんいるからさ」
りつかは小さく首を振ってごまかした。
女性がサングラスをずらしてりつかを見る。丁寧にメイクが施された美しい睫毛を伏せ、それとなく上から下まで値踏みするように視線が動いた。
彼女の視線とまじりあって、砂を抱いた湿った風はりつかの肌をざわつかせる。早くこの二人の時間がすぎないかと、りつかは視線を泳がせた。
ウエットスーツ姿の信忠がボードを携え、髪から滴を垂らして砂の上を歩いてきた。
「信忠、やっぱりここにいたのね」
女性が言うと、信忠も満面の笑みで手を上げて答えた。
りつかが二人の邪魔にならないようにその場を離れようとしたが、信忠は引き留めるようにりつかと手をつないだ。
「悪い。じつはさ、俺、もうこの子に惚れてるんだ」
信忠は女性に向かって悪びれる様子もなく言うと嬉しそうに続けた。
「どうしようもなく好きになっちゃってさ」
りつかは突然の信忠の言葉に驚き、その顔をじっと見つめてしまう。
「はっ? 信忠、どうしちゃったの急に・・・やあだ」
女性はおかしそうに笑った。
「だからもう、連絡は、なしで」
まるで遊ぶ約束をキャンセルする軽さで肩をすくめる信忠に、女は顔から笑いを消し去り、くるりと背を向けた。
去り際に聞こえよがしに「つまらない男」と言い捨てて、海水浴場の駐車場に停めたレクサス ESに乗り込み、勢いよくドアを閉めた。
「信さん、今の、あの人は?」
「あれ、高校の同級生」
車で走り去るのを目で見送りながら、信忠は言った。
「彼女さんじゃないの?」
「いや・・・どうだろ。あいつ、旦那さんいるからさ」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


