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想いあふれて
第7章 終章ー風と光、開く花
「でも」
信忠は驚いて、啓とりつかを交互に見る。紫苑は立ち上がり、信忠の肩にそっと手を置いた。
「信さん、行こう」
扉を閉める間際に紫苑が振り返り、じゃあ、これで。と言うと、何かをそっと置いていくようにゆっくりと扉を閉めた。
「啓・・・どうしてここに来たの」
「どうしてもりつかに会いたくて」
「そうじゃなくて、どうやってここが分かったの」
「必死で探したんだ。突然いなくなるから・・・ねえ、どうして」
「どうしてかは、啓自身がよくわかっているはず」
「なんでそんなに冷たくなった?突然姿を消されたおれの気持ちがわかるか」
「わかるわ。裏切られた気がして悔しい。腹も立っている・・・そうでしょ」
「わかるならどうして」
「わかるから、もう無理なの。私はずっと啓の心を理解しようとしていた。でも、啓はそうじゃなかった。いまみたいに、啓は自分の思いばかりを私に押し付けて、私の気持ちは」
そこまで言うと、言葉よりも先に涙がこみ上げてきた。上を向いて涙が落ちないようにしてから、まっすぐ啓を見た。
「もしかして俺に子供ができたからか?子供ができても、俺にはりつかが必要なんだよ。頼む」
啓が近づき、両腕にりつかを包み込んだ。
りつかの息が止まる。

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