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ウイングの徒然草
第11章 旧盆の月
ご先祖様という言葉も、年齢を重ねるにつれて少しずつ感じ方が変わってきます。子供の頃は、どこか遠い昔の人たちという印象でした。お盆だから手を合わせる。お墓参りに行く。線香の匂いがする。親や祖父母に言われて、そういうものだと思っていました。けれど、大人になると、ご先祖様という言葉の中に、自分が知っている人だけではなく、会ったことはないのに、なぜか近く感じる人も入ってくるようになります。

私にとって、特に思い入れの強いご先祖様がいます。祖父の末弟にあたる方です。その方は第二次大戦中、フィリピンの東にあるパラオ諸島で戦死されました。昭和20年8月のことだったそうです。私がその方の遺影を初めて見たのは、20代半ばの頃でした。写真を見た瞬間、すぐに分かりました。自分にそっくりだったのです。後から思い返すと、祖父はよく私の名前を間違えて呼んでいました。両親にも、私が弟にそっくりだと話していたそうです。後ろ姿も、横顔も、雰囲気までよく似ている、と。
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