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GRATEFUL & GIFT
第2章 冬が終わる前に
タイトスカートを擦り上げ、タイツに手をかける。千里が戸惑い体を離そうもがくと、浩人は千里が逃げてしまわないように背後の板塀に追い詰めた。

「ヒロ兄ちゃん……」

潤んで魅力の増した瞳が不安げに揺れ、躊躇いがちに浩人を見つめる。

千里の細い手首を掴むとジーンズの前へと導き、分厚い布に阻まれた猛りを誇示するように、僅かに逃げる千里の手のひらに押しつける。
驚いた千里が、小さく息を飲み込むのが分かった。

「もう、我慢出来ない……」

誘うように甘く囁く声が、千里の情動を刺激する。

「でも…、」

紅潮した顔を隠すように俯いて、千里がソレから手を離す。
その恥じらいが、堪らなく愛おしい。


千里の視線が境内の中央へと吸い寄せられるように泳いだ。後を追うように浩人も見やったが、人の気配さえない。
昨日までの穏やかな気候とはうって代わり、風は鋭く肌を刺すように吹いている。そんな中をわざわざ参拝に訪れる人はいそうになかった。
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