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GRATEFUL & GIFT
第2章 冬が終わる前に
それでも、誰も来ないと言う保証はどこにもない。
誰かが来て、行為を見られるかもしれない。


それでも、構わない。


そう思ってしまうほど、血がたぎり、千里を渇望して体中が痛い。

「本当は、全部脱がしたいけど、」

上擦った浩人の言葉に、千里が小さく悲鳴をあげて硬直する。火傷を心配したくなるほど赤い顔を懸命に左右に振る姿に傷つき、そのくせ浩人は誘惑されているような錯覚に陥っていた。


襲って…


千里が全身でそう訴えているように見えて、欲望に視界が霞む。
勝手な思い込みだと頭では理解しているのに、激情を抑えることが出来ない。

「…ダメ…っんふ……んっ」

弱々しい否定を掻き消すように唇を塞ぎ、柔らかく温かな感触を、少したどたどしく……それでも懸命に応えようとする千里を、舌で、唇で、体中で激しく愛撫する。

「脱がさないから、少しだけ…ね?」

唇を重ねたまま囁く浩人に、千里が恥ずかしそうに頷く。
浩人は喉を鳴らして再びキスを深めた。
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