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GRATEFUL & GIFT
第1章 危険なクラブ合宿
時間を巻き戻せたら良いのに。
男のフリなんて、これこそが無茶以外のナニモノでもないのに、名案だなんて誰が言ったのだろう。どうしてこんなことになってしまったのだろう。


胸が苦しくて、騙してることに堪えれそうになくて、怖くて、監督か誰かに打ち明けてしまおうって何度も悩んだ。
けれど臨時マネージャーの仕事は思っていた以上に忙しくて、そんな告白をする時間もチャンスも転がっていない。

それに、忙しくしている間は少しだけ罪の意識も薄らいだ。
下手に打ち明けないほうが良いんじゃないかって思ったり、このままやり過ごせるんじゃないかって楽観視までする始末。


とんでもないっ!


って、激しく後悔したのは夜になってから。

「真はどこで寝たい?」

豊先輩の満面の笑みにぐっと喉がつまる。
四つ並んだ白い布団が今にも襲いかかってきそうで体がすくんだ。

軽い目眩を覚えながら、今から部長と先輩マネージャーに告白しに行こうって心に固く誓う。
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