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名馬の城
第3章 野武士の謀
日の出前に城に戻ると、さすがに皆、寝静まっていた。
自室に戻ろうとすると、眠れないのか櫓で月を眺めていた城主に見つかり、呼び止められた。
城主は櫓から下りてきた。
「槻弓はどう思うか?」
城主の目の下には隈があり、声にも力がなかった。
「そなたは人の心が読めるのであろう?あの者たちは何を考えて眞弓を欲しいと言ったのか。我はこの城と眞弓を秤にかけることはしとうはない。」
(では徳川方に援軍を要請してください)
と槻弓は喉元まででかかっているのを抑えた。
おそらく城主は城主で葛藤しているのであろう。
城壁を築いた方がいいことはわかっていても、その対価として姫を差し出すと言う決心がつかないのだ。
「殿、申し訳ございませぬが、私はあの一度だけではあの者たちの心を読むことはできませぬ。それより、あの者たちにこう伝えてみてはいかがでしょう。”ひと月で城壁を完成させたら姫をお渡しする”と。」
「何だと!?」
城主は目を見開いた。
「城の周りに城壁を張り巡らせるとしたら、最低三月はかかるはずです。
ひと月でできたら姫を、三月でできたら米百貫を褒美に取らせると言って相手の出方を見ましょう。」
「ひと月でやる、と申したらどうするのだ?」
「はったりでしょう。」
槻弓は言った。
どうせできはしないし、できたらそのときに考えたらいい。
それよりも野武士たちとこれ以上関わり合いになることの方が危険だと槻弓には思えてしかたなかった。
自室に戻ろうとすると、眠れないのか櫓で月を眺めていた城主に見つかり、呼び止められた。
城主は櫓から下りてきた。
「槻弓はどう思うか?」
城主の目の下には隈があり、声にも力がなかった。
「そなたは人の心が読めるのであろう?あの者たちは何を考えて眞弓を欲しいと言ったのか。我はこの城と眞弓を秤にかけることはしとうはない。」
(では徳川方に援軍を要請してください)
と槻弓は喉元まででかかっているのを抑えた。
おそらく城主は城主で葛藤しているのであろう。
城壁を築いた方がいいことはわかっていても、その対価として姫を差し出すと言う決心がつかないのだ。
「殿、申し訳ございませぬが、私はあの一度だけではあの者たちの心を読むことはできませぬ。それより、あの者たちにこう伝えてみてはいかがでしょう。”ひと月で城壁を完成させたら姫をお渡しする”と。」
「何だと!?」
城主は目を見開いた。
「城の周りに城壁を張り巡らせるとしたら、最低三月はかかるはずです。
ひと月でできたら姫を、三月でできたら米百貫を褒美に取らせると言って相手の出方を見ましょう。」
「ひと月でやる、と申したらどうするのだ?」
「はったりでしょう。」
槻弓は言った。
どうせできはしないし、できたらそのときに考えたらいい。
それよりも野武士たちとこれ以上関わり合いになることの方が危険だと槻弓には思えてしかたなかった。

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