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えちちな国のありす
第5章 あぶの〜まるにイカされちゃう☆
「待て、こら!」

耳に向かって、だっと私は走り出す。
今度こそ、捕まえてやる!!

「待て!」

私の声に驚いたのかもしれない。
茂みの向こうの耳が一瞬止まった。

ガササッ!

今度こそ逃がしてなるものかと、
私はその耳に向かって飛びかかる。

「うわああっ!!」

叫び声を上げるシュウに構わず、
そのまま地面に押し倒してしまう。

「こら!今度こそ逃さないわよ!
 あんたのおかげで私がどんだけ苦労したか!」

シュウの体の上にまたがり、
凄みを利かせる。

しかし、当のシュウは目を白黒させていた。
その様子は、もしこれがマンガだったら
頭の上にいくつもの疑問符が飛び交ってるような感じだった。

「え?え?ええっ!!?おねーさん、誰!?」
「は?とぼけんじゃないわよ!
 あんなことしといて!」

一瞬、人違い(兎違い?)かとも思ったが、
見れば見るほど、顔も姿もシュウそのものである。

抜けるように白い肌、
整った顔立ち、
そして、何より時折ぴょこぴょこ動くウサ耳と、
ベストに引っかかってる狂った時計。

これで別人という方がおかしい。

「あんなこと!?…って?」
「まだとぼけるか、シュウ!」

ここで初めて私は『シュウ』の名を出した。

「え!?ちょ、ちょっと待ってシュウって…」
「まだ言うか!!」

あまりのとぼけっぷりに怒りの制裁を下すべく振り上げた鉄拳が、
『シュウ』の鼻先をかすめようとした瞬間、

「って…誰?」

白ウサギが、本当に知らない様子でそう言った。

あ…やば、勘違いかも。
そう思ったが、後の祭り。

「むぎゅう…」

私の拳は、白ウサギの顔に見事なまでのクリーンヒットをかましていた。
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