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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】










「あれ?もしかして喧嘩?」



昼休み、私のデスク周りに集まる野次馬たち…
もとい、同僚たち
私と後輩……圭くんとの距離感にいち早く
勘付いて尋ねてきた
この前の事があってから毎日来ていた連絡も
途絶え、会社でも必要最低限の接触のみ



いやいやいや、それが当たり前なんだよ
今までがバグってただけ
人懐っこい性格で私に近付く異性ってだけで
ガルル…と牙を向けちゃうような
会社ではやめて、と何度言ったかわかんない
それがやっと正常に戻っただけ



「わかるよ、寂しいよね、やっぱり上原さんとの事があったからでしょ?」



肩を擦るな、待って、勝手に勘違いされてる
「違うから」と伝えても
強がっちゃって、と聞く耳を持たない
風邪ひいて弱ってた時の前科があるからね



でも、ちょっとだけ、仕事はやりにくいかな
一応、この前はごめんねってメッセージは
入れておいたんだけど
(わかりました)の一言だけ返って来た
それから何もないまま今に至る



チラチラと見てしまう癖、どうにかしたい
黙々と作業に徹する姿勢ね



「じゃあ、成瀬、今からちょっと良い?」



そう声を掛けてきたのは
入社した時からずっと一緒に働いてきた同僚
黒田 彰仁(クロダアキヒト)
そう、この私が入社したての研修時から知ってる仲だ



打ち合わせブースに移動する
真剣に意見出し合っているのに
時々、コレを見たら圭くん嫉妬するのかな
とか頭にチラついてなかなか集中出来ない



「……せ……るせ……おい、瑞希」



突然、名前を呼ばれてハッとする
そうだ、今は打ち合わせ中
私の名前を呼んだのは同僚の黒田



「え…?今、下の名前で呼んだ?」


「名字で呼んでも返事しないからだろ」


「ごめん」


「私情持ち込むなんて珍しいな」


「……面目ない」


「うわ、認めやがった、本当に重症?」



認めたくはないけど、どうやらそうみたい
この私が集中出来ないなんてね








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