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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】





少し俯く私にいきなり顎クイしてきた同僚
目と目が合って
「今は仕事に集中しろ」と喝を入れられる
隣に腰を下ろしてきて同じパソコンを眺める
この場目をイチャイチャしてると思われるのも
癪だけど、圭くんには見られたくないなと思う



その後やっと集中力が戻って来て
いつも通りの打ち合わせが出来たわけだけど
「飯行こう」と誘われ
「嫌だ」と断るも
「お前どうせ昼抜くだろ」と強制連行
よくわからないが何故か同僚が気にかけて
くれている気がする



「やっと俺の成瀬が戻って来たわ」



そう言われてパスタで喉を詰まらせる



「ゲホゲホ!ど、どういう意味…!?」


「今まで誰かさんがお前を独占してきた所為で俺との案件、随分後回しにされてたし」


「えぇ?それは俺一人で充分、とか言ってたじゃん」


「そう、俺一人でも充分だけどお前の意見は聞きたいわけよ、だから俺との時間も作れっての、大体同期を蔑ろにするんじゃねぇよ」


「ご、ごめん…」


「何だそれ、張り合いねぇな」


「あんたと喧嘩するだけの気力がないだけ」


「何?あの後輩といつも通りの関係に戻れば大丈夫なの?」


「…そんなんじゃ、ないよ」


「ダメ」


「え…?」


「もう戻んな、お前捕まえるの大変だから」



え……ちょっとは私を認めてくれてるって感じ?
黒田は真面目だし硬派
密かに想い人は居るみたいだけど
そういう噂や話は聞かない
同期で同じタイミングで昇進もしてきた
だから一番近い存在だし
会社では一番一緒に居たかも



「え、もしかして私、同期に愛されてる?」


「はぁ?言ってろよ」



こんな風に誂うと耳まで真っ赤になって
ぶっきらぼうに言い返してくる
それに同期だから余計に奢られるのは嫌で
割り勘にしたいのにそうさせてくれない
無理やり渡そうとするもヒョイと交わされ
追い掛け合う



「あ…」と絵に描いたように振り返り
急に立ち止まるから
すぐに止まれず「わっ」とぶつかってしまう
やば…ネクタイに口紅ついちゃった









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