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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
「別に、そこまで気にしなくても…」
「いや、こういうのはなる早で処理しないと」
給湯室で綿棒を手に、クレンジングオイルで
シミをトントンと優しく叩いていく
ネクタイを引っ張りながら真剣にシミ抜き
しているのに視線に気付いて目を向ける
割と距離が近い事に一旦手と止めて
「私でごめんね?もっと可愛い子にこういう事されたいよね〜?」
「は?他の奴に触らせるかよ」
「え?」
「え?」
「黒田って潔癖だった?本当ごめん」
「いや、そうじゃなくて…」
「急ぐね?もう少しで取れそう」
給湯室で2人きり
見ようによっちゃ私が黒田の胸に頭寄せてる
とでも見れるのだろうか
他の同僚が入って来て私たちを見た瞬間、
「邪魔してごめん!」と走り去ってしまった
他の人たちも覗き込んでるなんて思わないじゃん
「あ、取れたかも」
「どれどれ?へぇ〜凄いな」
えらいえらいって頭撫でてきて
その手を払い除けたら
「照れんなよ」とか言うわけ
呆れて何も言えないよ
「早めにクリーニング出してね」
「ん…」
片付けてると隣からまた顎クイしてくるから
「何よ」って牽制すると
クレンジングオイルと私を交互に見て
「コレでメイクって落ちるんだ?」とか
言いつつ何か企んでそう
「すっぴんってやっぱ変わる?」
「さ、さぁ…?」
「まぁ、お前は変わんなさそうだな」
「さ、さぁね」
「ちょっと幼くなるくらいか?お前って顔は良いもんな」
はぁ?と、脇腹パンチ
またじゃれ合いが始まってケタケタ笑う
“あの2人、仕事以外は中学生ね”なんて
言われてるって知らなかった
「わかったわかった、お前は可愛い」
「もうそれ言わなくて良いから」
「だって顔赤くなるの面白いからさ」
相手の思うツボだと思い、冷静さを取り戻す
そしたら手が伸びてきて「髪、食ってる」と
サイドの髪を耳に掛けてきた

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