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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
ヤバい、また噂される
愛想笑いで逃げ切ろうと思ったけど、
一旦前を去るも足を止めて振り返る
「変な噂、立てないでね?」と念押し
いや、弁解する方が怪しいか、とも思ったが
時すでに遅し……後の祭りかも
「モテ期だね〜」と誂われる
咳払いして「そんなんじゃないです」と
言うしかなかった
答え合わせって何よ
別に何かあるわけでもないでしょ
今まで通りの接し方で良いよね
数日後、突然電話が鳴り
黒田からだった
仕事も終わってる時間帯
プライベートで掛かってくるなんて
余程急ぎの案件かも知れない、と
出てみたら向こうからは
ベロベロに酔った黒田の声が聞こえてきた
最初、ふざけてかけてきてるんだと思って
適当に返していたら
「会いたい……迎えに来て」って低いトーンで
言うもんだから承諾してしまった
別に仕事で失敗とかしたわけじゃないし
悩んでなさそうに見えたけど
黒田には黒田にしかわからない悩みの種が
あるのかも
普段かけない相手にかけてくるとか
かなり思い悩んでるのかな
指定されたBARに行くと、
友達と2人で飲んでいたみたい
はじめまして、で挨拶を済ませると
「コイツ、動こうとしないんすよ、成瀬じゃないとって…すみません、突然呼び出して、迷惑だったでしょ?」
「あぁ…いえ、置いていくわけにもいかないですもんね、とりあえず、家まで連れて帰るので」
「タクシー呼びます」
「すみません」
お友達がわざわざタクシーを呼ぼうとして
くださったのに
「成瀬も一杯飲んで?一杯だけだから」って
呂律回ってないんだけど?
しかもお友達は明日早番らしくて……
仕方なくこの大きなバカ犬を引き取る事に
お友達が帰った後、
「何かあったの?珍しいね、そこまで酔うなんて」
と出されたカクテルを一口飲んだ
「ここまでぇ…酔うつもりなかったんだけど、話聞いてもらってたらぁ……こんなんなっちゃった」
「クスッ…酔い過ぎ」

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