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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
「そしたら急に会いたくなって……」
「で、あの電話だ?」
「申し訳ございません」
あ、頭振らないで、余計酔いが回るよ?
と肩を支えるその手を握られた
「俺、酔ってても記憶なくしたとかないから」
「本当に?ちゃんと覚えてるんだ?」
「うん、こんな時間に呼び出してごめん」
「本当だよ、一応、女なんだからね?」
「でも来てくれてめちゃくちゃ嬉しい」
「そりゃ来るでしょ、同期だもん、いつも冷静沈着で、常に成績上位の同期がこんなベロベロになるまで酔っ払うなんて余程の事だろうなと思って、言われた通りお迎えに参りましたよ〜」
「うん……ありがとう……ありがと、成瀬ぇ」
「はいはい、その悩みはお友達に話して楽にはなったの?」
「うん…アイツも良い奴なんだよ…」
散々、さっきまで居たお友達の性格や人柄を
褒め称えた後、私に紹介したかったみたいだ
「あ、でもアイツは彼女持ちだから好きになるなよ?」
「丁寧にご忠告ありがとう」
誰が好きになるのよ、と思った瞬間
肩から抱き寄せられてしまう
間一髪、片手で支えてよろけずには済んだけど…
「お前が見なきゃいけないのは、目の前に居る俺だけだから」
「え?ちょ、近過ぎ」
「酔ってないよ、俺」
「目が据わってる時点で酔ってんのよ」
「俺を見て……」
見てるってば、さっきから
だから顔、近いって
離れようとした私を逃すまいと更に引き寄せる
「成瀬の事、困らせたくないけどぉ……今だけごめん」
そう言われて解けないでいる腕の中
酔いが冷めたらとことん説教してやる
熱い身体……寝息が聞こえる
「ちょっと、寝ないで?帰るよ?」
「え、帰るの?ダメ、成瀬は此処に居て」
「居るから、家まで歩ける?」
「グヘヘヘ……無理かも〜」
「タクシー呼ぶね」
支払いはお友達がしてくれてたみたい
外まで支えながら出てタクシーに乗り込む
住所言えないとか何なのよ〜!
免許証漁るわけにはいかないし……
仕方あるまい、と自分の住所を運転手に伝えた

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