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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】





「ちょっ…黒田っ」



咄嗟に身体を押して距離を取った
真剣な顔つきは変わらない
驚いている私から目を逸らす



「また明後日、会社でな」


「え、ちょ、何?今の……」


「え……ごめん、我慢出来なかった」


「はぁ?」


「あ、でも、会社では今まで通りの対応で宜しく」


「ちょ、ちょっと待って……ごめん、頭追いつかない」


「大丈夫、それは俺もだから」


「はぁ?待ってよ、何それ……ハハハ」



お互いにテンパってるのウケる
ちょっと気不味いけど、
会社で気不味くはなりたくないから
無理やり笑う



「誂ってるわけじゃないから」


「うん、わかってる」



黒田の人間性はわかってるつもりだから
ふざけてキスなんかする奴じゃないって事くらい
理解出来てるよ
仕事も出来る奴だし、
これからどんどん出世するタイプだと思う
良いところは盗みたいし、
この先もずっと切磋琢磨していく相手だと
思ってた



玄関まで見送る時も、
肩が見えかけのラフな長袖Tシャツを萌え袖にして
ショートパンツ姿はやっぱりあざといかな?
ルームウェアだし、
まさかこんな展開になるなんて思ってないじゃん?



振り向いて、また頭を撫でられた
やめて、恥ずかしいから



「最後にハグしとく?」って手を広げるの
「しないしない」って断っといた
「ちぇっ」…じゃないのよ
鍵を開けて出ようとするも、再びこっちを見て



「え、俺が好きなのは成瀬だってちゃんと伝わってる?」


「何の確認よ」


「もう一回、一から話そうか?」


「もう良いって、伝わってるよ」



ニカッて眩しい笑顔
時々おちゃらけてくる、いつもの黒田だ
「じゃあね」と手を振る



「可愛いな、ちくしょう」って最後、
言われて固まる私……
黒田が帰った後、ベッドにダイブし
足をバタバタしてしまう



「好きだ」って言われた時の黒田の顔が浮かぶ
ヤバい、嘘でしょ、誰が?誰を?
黒田が?私を好き?
段々と実感が湧いてきた








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