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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
意識しないで普通に過ごすって無理難題
告白されて感情が微動だにしない人って居る?
でも黒田は驚くほど物分かりが良く、
以前と何ら変わりはない態度、姿勢
心底、尊敬するレベル
エレベーターで2人一緒に乗った時
黒田は段ボール抱えてて、
扉が閉まる直前に一人誰かが乗ってきた
「何階ですか?」って聞いた瞬間、
一瞬だけフリーズしてしまった
「すみません、7階お願いします」と
伝えてきたのは神倉くんだったから
久しぶりに業務以外で言葉を交わしたかも知れない
黒田をチラッと見た後に
「お疲れ様です」と軽く会釈する
黒田も全く表情は変わらず静かな空間
ただ早く到着する事だけを願うばかり
「あ、そうだ、成瀬、俺の左ポケットに会議室の鍵入ってるから先に行って開けといてくれない?」
「え?あ、うん、わかった」
え?俺は今、段ボール持ってて両手塞がってるから
ポケットに手入れて鍵を取れって?
そんなアイコンタクトを送られて
仕方なくポケットに手を入れる
2つの鍵が入っててわからないから2つとも出した
「あ、そっちは自宅の鍵だわ、何ならそっちも持っててくれて良いけど?」
って、急にぶっ込んでくるから唖然とした
神倉くんもチラッとこっちを見た気がする
「何の冗談?や、やめてよ」
「ハハハ、ごめんごめん」
慌てて自宅の鍵はポケットに仕舞った
先に到着した神倉くんはノールックで降りて行く
まだ扉も閉まっていない状況で
「でも俺はいつでも来てもらって構わないから」
なんて言うの
もしかしたら神倉くんの耳にも届いたかも知れない
「マウント取って楽しい?」
「ははは!だよな?俺、だっせぇ……何で成瀬が関わるとガキじみた事しちゃうのかね?俺は」
「もう二度とあんな事しないで?会社では余計な事考えたくないの、仕事に集中したいから」
そう吐き捨ててエレベーターを降りた
先に行ってと言っていたにも拘らず
段ボール片手に持ち替えて手を引っ張られる
直ぐ側の使われていない鍵のない部屋に
連れ込まれるなんて……

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