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Dilemma
第3章 【同期入社の戦友、眼中にもなかった同僚】
私から頬に触れて優しく微笑んだんだって
「あんたイケメンなんだから勿体ないよ、私なんかにうつつ抜かしてたらダメだよ?んふふ」
その手を掴まれて唇が重なったのは夢だったかな
心地良いキスに酔いしれていく
「俺が好きなのは成瀬だけだよ」
そう囁やかれた気がして
腕の中で再び顔を上げたの
「うん…知ってる、ありがと、好きになってくれて…私は幸せ者だよ、ほんと…ありがとぉ〜」
そのまま胸に顔を埋めて眠っちゃったそうです
少し頭がガンガンするな、と目を覚ましたら
其処は見知らぬ天井が目に入り、飛び起きた
「…痛っ」
こめかみを押さえ頭痛を和らげる
昨日、黒田とご飯食べに行って、飲んで……
それから?
知らないベッド、知らない部屋、
服は…着てる
隣に…誰も居ない
え?黒田は?あの後、どうした?
ダメだ、全然思い出せない
お酒は控えようとしてたはずなのに
きっと昨日は気分も良くなって
キャパオーバーしたか
私、どれだけお酒の失敗するの
ベッドから降りてすぐに気が付いた
二人掛けソファーに長い足が飛び出てる
え?黒田、其処で寝たの?
足も腕も組んで眠ってる黒田の姿
スーツでジャケットとネクタイは
ハンガーに掛けてる
音を立てないようにそろりそろりと洗面台へ
歯を磨いてメイク直ししたら再ぶ黒田の元へ
睫毛長っ……良く見ると寝顔もイケメン
こんな人が何で私なんか
あっ……昨日もそんな事を言った気がする
そうだ、黒田はそう聞いて
「どんな成瀬も好きなんだけど」って言ってた
勝手に思い出して勝手に赤くなる
いつから…?
割と早くだった
一人負けん気が強く、食らいついていた同期
それが私で、男に媚びてなく、
ひたむきに頑張ってる姿を見て
いつの間にか目が離せなくなったんだって
酔っ払いの戯言にずっと付き合ってくれて
何となくそれが耳に残ってて
ちゃんとベッドまで運んでくれたんだ
こんな狭いところで自分は寝て
起きた私が不安がらないように
もしくは寝てる途中で何かあったらと思って
此処に居てくれたの…?

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