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監禁願望の女
第10章 監禁生活Ⅰ
――放置されていなかった。
身を捧げたあとも、男はすぐそばにいる。その事実だけで、弥生の胸はほどけていった。置いていかないで、と願ったのは自分だった。願ったとおり、男は自分を抱いたまま残っている。それに安堵してしまった自分が、気持ち悪かった。安堵の奥から込み上げた自己嫌悪が、新たな拘束のように弥生の胸を締めつけた。
弥生はようやく、自分が裸のまま男に抱きしめられているのだと分かった。頬の下には男の腕があり、お腹にはもう片方の腕が回されている。背中には、男の裸の胸が隙間なく密着していた。
自分が男の腕を枕にして眠っていた。その親密な体勢を意識した途端、恥ずかしさが込み上げ、頬が熱くなった。男の腕から頬を離すべきなのか。それとも、このまま預けていてよいのか。弥生は、どちらも選ぶことができなかった。
縄の感触は体から消えていた。その空白を、男の温もりと毛布の柔らかな肌触りが埋めていた。
「……はい」
弥生は息を吐きながら、強張った脚を少しだけ動かした。けれど、重ねた両膝は触れ合ったままだった。縄はない。それでも、裸の脚をそれ以上動かすことができなかった。
脚を動かした拍子に、男の手がおへそのあたりへ触れた。その途端、その奥に溜まっていた重い圧を意識した。一晩中縛られ、閉じ込められていた体が、今になって悲鳴を上げている。
もう長くは我慢できない。
その焦りが、一気に弥生を支配した。
弥生は何かを言おうと唇を開いた。けれど、そこから漏れたのは熱い息だけだった。
男の腕に頬を預けたまま、弥生はもう一度口を開いた。
身を捧げたあとも、男はすぐそばにいる。その事実だけで、弥生の胸はほどけていった。置いていかないで、と願ったのは自分だった。願ったとおり、男は自分を抱いたまま残っている。それに安堵してしまった自分が、気持ち悪かった。安堵の奥から込み上げた自己嫌悪が、新たな拘束のように弥生の胸を締めつけた。
弥生はようやく、自分が裸のまま男に抱きしめられているのだと分かった。頬の下には男の腕があり、お腹にはもう片方の腕が回されている。背中には、男の裸の胸が隙間なく密着していた。
自分が男の腕を枕にして眠っていた。その親密な体勢を意識した途端、恥ずかしさが込み上げ、頬が熱くなった。男の腕から頬を離すべきなのか。それとも、このまま預けていてよいのか。弥生は、どちらも選ぶことができなかった。
縄の感触は体から消えていた。その空白を、男の温もりと毛布の柔らかな肌触りが埋めていた。
「……はい」
弥生は息を吐きながら、強張った脚を少しだけ動かした。けれど、重ねた両膝は触れ合ったままだった。縄はない。それでも、裸の脚をそれ以上動かすことができなかった。
脚を動かした拍子に、男の手がおへそのあたりへ触れた。その途端、その奥に溜まっていた重い圧を意識した。一晩中縛られ、閉じ込められていた体が、今になって悲鳴を上げている。
もう長くは我慢できない。
その焦りが、一気に弥生を支配した。
弥生は何かを言おうと唇を開いた。けれど、そこから漏れたのは熱い息だけだった。
男の腕に頬を預けたまま、弥生はもう一度口を開いた。

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