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監禁願望の女
第10章 監禁生活Ⅰ
引き戸一枚を隔てた向こうに、男がいる。姿を見られているわけではない。けれど、狭い室内に響く水音までは隠せなかった。息を吐く長さも、裸のまま座り直したときに肌が擦れる音も、すべて戸の向こうへ届いている気がする。
見られる羞恥ではなかった。
すべてを聞かれているかもしれない。
その意識が、頬から首筋へ、そして剥き出しの全身へ広がっていく。
やがて水音が止んだ。
今度は、訪れた静けさのほうが恥ずかしかった。
男は聞いていたのだろうか。
それとも、聞いていないふりをしているだけなのか。
弥生に確かめる術はなかった。
それでも戸に鍵を掛けられることはなく、開かれることもなく、急かす声も外から聞こえてこなかった。
男は、外で待っている。
――そこまで、君の自由を奪う気はない。
先ほどの言葉が、胸の中に蘇った。
男は一人になる時間を弥生へ与え、その中へ踏み込んではこなかった。だが、どこまで自由を残すのかを決めたのも、やはり男だった。
見られる羞恥ではなかった。
すべてを聞かれているかもしれない。
その意識が、頬から首筋へ、そして剥き出しの全身へ広がっていく。
やがて水音が止んだ。
今度は、訪れた静けさのほうが恥ずかしかった。
男は聞いていたのだろうか。
それとも、聞いていないふりをしているだけなのか。
弥生に確かめる術はなかった。
それでも戸に鍵を掛けられることはなく、開かれることもなく、急かす声も外から聞こえてこなかった。
男は、外で待っている。
――そこまで、君の自由を奪う気はない。
先ほどの言葉が、胸の中に蘇った。
男は一人になる時間を弥生へ与え、その中へ踏み込んではこなかった。だが、どこまで自由を残すのかを決めたのも、やはり男だった。

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