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監禁願望の女
第10章 監禁生活Ⅰ
体の脇へ下ろした両腕が、一度だけ胸元へ動きかける。男からの視線を感じたからだった。弥生はすぐに頭を上げた。
引き戸の外には、細い通路を塞ぐように男が立っていた。
先ほどまで持っていたはずの毛布は、その手にない。代わりに片手から垂れているのは、短い麻縄だった。
目が合うと、男はふっと微笑んだ。
弥生の視線が、男の顔から生成り色の縄へ下がっていく。
男はその微笑みを残したまま、二人の間にある距離を詰めてくる。
弥生は俯いたまま逃げなかった。縄を見た瞬間、縄痕を隠そうとしたことも、胸元を腕で覆うべきか悩んでいたことも無駄だと悟り、頬が一瞬緩んでいた。裸はいずれにしても見られてしまう。今さら何をしても手遅れに思えた。
引き戸の中へ戻ることもなく、目の前まで来た男の裸の胸へ、両手を揃えて添えた。
押し返そうとしたのか。
それとも、自ら受け入れたのか。
弥生自身にも分からなかった。
答えを見つけるより早く、男の片手が両手をまとめて掴んだ。
「ふぅ……」
弥生の口から熱い吐息が漏れ、体がピクッと波打つ。その動きにつられるように首が反り、男の顔を見つめていた。手のひらには、裸の胸から伝わる熱が残っている。手首を包む指からは、逃がさないという意思が伝わってきた。
その瞬間、冷たいものが背中を走り抜けた。
引き戸の外には、細い通路を塞ぐように男が立っていた。
先ほどまで持っていたはずの毛布は、その手にない。代わりに片手から垂れているのは、短い麻縄だった。
目が合うと、男はふっと微笑んだ。
弥生の視線が、男の顔から生成り色の縄へ下がっていく。
男はその微笑みを残したまま、二人の間にある距離を詰めてくる。
弥生は俯いたまま逃げなかった。縄を見た瞬間、縄痕を隠そうとしたことも、胸元を腕で覆うべきか悩んでいたことも無駄だと悟り、頬が一瞬緩んでいた。裸はいずれにしても見られてしまう。今さら何をしても手遅れに思えた。
引き戸の中へ戻ることもなく、目の前まで来た男の裸の胸へ、両手を揃えて添えた。
押し返そうとしたのか。
それとも、自ら受け入れたのか。
弥生自身にも分からなかった。
答えを見つけるより早く、男の片手が両手をまとめて掴んだ。
「ふぅ……」
弥生の口から熱い吐息が漏れ、体がピクッと波打つ。その動きにつられるように首が反り、男の顔を見つめていた。手のひらには、裸の胸から伝わる熱が残っている。手首を包む指からは、逃がさないという意思が伝わってきた。
その瞬間、冷たいものが背中を走り抜けた。

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