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監禁願望の女
第10章 監禁生活Ⅰ
腰を押していた手のひらが離れていく。
男は背後から弥生との間を詰め、その肩越しに腕を伸ばした。指が、正面の引き戸へ掛かる。
からり、と乾いた音がした。
戸が横へ滑るにつれ、湿り気を帯びた熱気が迫ってくる。顔に当たり、裸の肌を暖かく包み、それが瞬く間に足元まで広がっていた。
開かれた先にも、灯りは点いていない。それでも、浴槽の向こうにある曇り窓から朝の光が差し込み、浴室の中を淡く浮かび上がらせていた。
黒い漆喰の壁。長い年月を吸い込んだ太い梁。その下には、濡れた黒い石の床が奥まで続いている。窓の手前には白木の浴槽が置かれ、満たされた湯の表面から、細い湯気が静かに立ち昇っていた。
右手の壁にはシャワー。その下には、低い木の椅子と、丸い湯桶が並べられている。
男が、先に浴室へ入った。黒い床の上を進み、弥生のほうへ振り返る。
促す言葉はなかった。
だが、男に縛られた手首を握られ、浴室の中へ引かれた。
弥生は慎重に、片足を踏み出した。足の裏が、濡れた石へ触れる。
「ンッ……」
濡れた石が思っていたよりも冷たく、思わず足元を見つめた。
黒い床に、裸の両足が揃う。
男は背後から弥生との間を詰め、その肩越しに腕を伸ばした。指が、正面の引き戸へ掛かる。
からり、と乾いた音がした。
戸が横へ滑るにつれ、湿り気を帯びた熱気が迫ってくる。顔に当たり、裸の肌を暖かく包み、それが瞬く間に足元まで広がっていた。
開かれた先にも、灯りは点いていない。それでも、浴槽の向こうにある曇り窓から朝の光が差し込み、浴室の中を淡く浮かび上がらせていた。
黒い漆喰の壁。長い年月を吸い込んだ太い梁。その下には、濡れた黒い石の床が奥まで続いている。窓の手前には白木の浴槽が置かれ、満たされた湯の表面から、細い湯気が静かに立ち昇っていた。
右手の壁にはシャワー。その下には、低い木の椅子と、丸い湯桶が並べられている。
男が、先に浴室へ入った。黒い床の上を進み、弥生のほうへ振り返る。
促す言葉はなかった。
だが、男に縛られた手首を握られ、浴室の中へ引かれた。
弥生は慎重に、片足を踏み出した。足の裏が、濡れた石へ触れる。
「ンッ……」
濡れた石が思っていたよりも冷たく、思わず足元を見つめた。
黒い床に、裸の両足が揃う。

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