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監禁願望の女
第3章 最初の女
弥生は板の上で体を回し、部屋の様子を確かめようとした。さらに奥に目を向けると、部屋の端に一本、他とは明らかに違う太さの柱が立っていた。
大黒柱だ――。
表面は滑らかに磨き込まれている部分と、煤でざらついた部分が混在し、長い年月を黙って受け止めてきた佇まいだった。
その大黒柱のすぐ脇には、木の戸がしっかりと締められており、弥生はそこから来る異様な空気を感じ取っていた。
弥生は、自分が今、人里から遠く離れた古民家の中にいるらしいことを、ようやく体で理解し始めていた。どこか遠い場所へ連れてこられたという実感が、弥生をじっとさせてはくれなかった。行き着く先も分からないまま、彼女は身をよじり、板の上を少しずつ前へ進んでいった。
しばらくして、再び戸が開いた。
戻ってきた男は、腕に何本もの薪を抱えていた。それらを囲炉裏の傍らへ下ろすと、板の間へ上がってきた。
男は囲炉裏越しに腰を下ろし、弥生を見つめた。手には小さなナイフを持っている。薪を一本手に取ると、鉛筆を削るように刃を当て、その表面を静かに薄く削いでいった。
弥生は片方の肩を下にして横たわり、男から目を離せなかった。その一方で、背後に縛られた手首を、リボンの中で擦り合わせていた。
「ここは……どこですか……?」
男はその問いに答えなかった。乾いた薪を囲炉裏の中へ規則正しく並べ、先ほど削ぎ落とした薄い木片を、その隙間へ差し入れていく。
やがて男はマッチを擦り、木片へ火を移した。細い煙が立ち上り、その中から小さな炎が生まれた。
大黒柱だ――。
表面は滑らかに磨き込まれている部分と、煤でざらついた部分が混在し、長い年月を黙って受け止めてきた佇まいだった。
その大黒柱のすぐ脇には、木の戸がしっかりと締められており、弥生はそこから来る異様な空気を感じ取っていた。
弥生は、自分が今、人里から遠く離れた古民家の中にいるらしいことを、ようやく体で理解し始めていた。どこか遠い場所へ連れてこられたという実感が、弥生をじっとさせてはくれなかった。行き着く先も分からないまま、彼女は身をよじり、板の上を少しずつ前へ進んでいった。
しばらくして、再び戸が開いた。
戻ってきた男は、腕に何本もの薪を抱えていた。それらを囲炉裏の傍らへ下ろすと、板の間へ上がってきた。
男は囲炉裏越しに腰を下ろし、弥生を見つめた。手には小さなナイフを持っている。薪を一本手に取ると、鉛筆を削るように刃を当て、その表面を静かに薄く削いでいった。
弥生は片方の肩を下にして横たわり、男から目を離せなかった。その一方で、背後に縛られた手首を、リボンの中で擦り合わせていた。
「ここは……どこですか……?」
男はその問いに答えなかった。乾いた薪を囲炉裏の中へ規則正しく並べ、先ほど削ぎ落とした薄い木片を、その隙間へ差し入れていく。
やがて男はマッチを擦り、木片へ火を移した。細い煙が立ち上り、その中から小さな炎が生まれた。

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