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監禁願望の女
第4章 儀式
襦袢の下には、生成り色の麻縄が丁寧に束ねられていた。
「どうした?」
男は声をかけた。
「いえ……」
そう答えた弥生の声は上ずっていた。
自分の体の線を隠すように、白い襦袢を取り上げ、左右の袖へゆっくりと腕を通した。柔らかな白い布が肩から体を覆っていた。
「髪が乱れている……悪いが、直してくれ……」
男の声は、変わらず落ち着いていた。
弥生が自分の手で髪を直している間、男は紅色の帯を手にしていた。背後から片手を前へ回し、弥生の胸元で衿を重ね、裾を整えると、手際よく帯を彼女の体へ這わせていった。
男は背後で帯の左右を引いた。緩んでいた襦袢が体へ引き寄せられ、白い布に包まれた腹から腰にかけての線が整っていく。
もう一度、帯が強く引かれた。
「はぁ……」
弥生は胸に溜めていた息を、力のない声とともに吐き出した。
自分の唇から漏れたものが、思いのほか女らしい声に聞こえ、弥生の頬が一気に熱を帯びた。恥ずかしさに髪を直していた手も止まり、ねじり上げようとしていた髪が指の間でわずかに緩んだ。
その間にも、背後では帯の擦れる音が続いていた。弥生は止まった手を髪へ添えたまま、腹を囲う紅色へそっと目を落とした。
白い襦袢に腕を通し、柔らかな布が肩から体を覆っていくにつれ、弥生はようやく自分の肌を隠せることに安堵していた。胸元で衿を重ね、裾を引き寄せると、奪われたものの代わりに、薄い布一枚だけが彼女を守ってくれているように思えた。
けれど、その安堵に身を委ねることはできなかった。
体には、帯を強く締められた感触が残っていた。自分の体を隠してくれた白い襦袢が、今度はその縄を受けるために用意されたもののように見え始めていた。丁寧に束ねられた生成り色の縄から目を逸らしても、弥生の視線はすぐにそこへ戻ってしまう。
「どうした?」
男は声をかけた。
「いえ……」
そう答えた弥生の声は上ずっていた。
自分の体の線を隠すように、白い襦袢を取り上げ、左右の袖へゆっくりと腕を通した。柔らかな白い布が肩から体を覆っていた。
「髪が乱れている……悪いが、直してくれ……」
男の声は、変わらず落ち着いていた。
弥生が自分の手で髪を直している間、男は紅色の帯を手にしていた。背後から片手を前へ回し、弥生の胸元で衿を重ね、裾を整えると、手際よく帯を彼女の体へ這わせていった。
男は背後で帯の左右を引いた。緩んでいた襦袢が体へ引き寄せられ、白い布に包まれた腹から腰にかけての線が整っていく。
もう一度、帯が強く引かれた。
「はぁ……」
弥生は胸に溜めていた息を、力のない声とともに吐き出した。
自分の唇から漏れたものが、思いのほか女らしい声に聞こえ、弥生の頬が一気に熱を帯びた。恥ずかしさに髪を直していた手も止まり、ねじり上げようとしていた髪が指の間でわずかに緩んだ。
その間にも、背後では帯の擦れる音が続いていた。弥生は止まった手を髪へ添えたまま、腹を囲う紅色へそっと目を落とした。
白い襦袢に腕を通し、柔らかな布が肩から体を覆っていくにつれ、弥生はようやく自分の肌を隠せることに安堵していた。胸元で衿を重ね、裾を引き寄せると、奪われたものの代わりに、薄い布一枚だけが彼女を守ってくれているように思えた。
けれど、その安堵に身を委ねることはできなかった。
体には、帯を強く締められた感触が残っていた。自分の体を隠してくれた白い襦袢が、今度はその縄を受けるために用意されたもののように見え始めていた。丁寧に束ねられた生成り色の縄から目を逸らしても、弥生の視線はすぐにそこへ戻ってしまう。

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