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監禁願望の女
第5章 牢
***
弥生は体を縄に支えられ、暗闇に浮かび上がる木の格子を見つめていた。長い前髪が視界を遮り、頬にまとわりついても、払いのけようとはしなかった。動けないというより、もう動く必要を感じなかった。
このまま放置されてしまったら――。
その想像が、弥生の中でゆっくりと形を持ち始めた。今夜、あの男と会うことは誰にも伝えていない。この牢の中で、男以外の誰にも知られず、ただ縛られたまま忘れ去られてしまうのではないか。その不安を声にすることもできず、猿ぐつわに封じられた口の奥から、再び胸の内へしまい込むしかなかった。
気がつけば、弥生の意識はぼんやりと霞み、瞼も重くなっていた。ふっと体から力が抜け、支えを失った頭が、そのまま前へ落ちそうになる。慌てて首に力を入れたが、それも長くは続かなかった。
眠りは、弥生の体に残されていた力を、一つずつ静かに奪っていった。
肩から力が抜けると、白い襦袢には細かな皺が生まれ、浅い呼吸を重ねるたび、その皺は背中の中央へゆっくりと集まっていった。
やがて重くなった頭が垂れ、弥生は力なく体を前へ屈めていった。縄に体を預けるほど両肩はわずかに後ろへ引かれ、それにつれて、背後に重ねられた両腕も背中の中央へ寄せられていく。
弥生は体を縄に支えられ、暗闇に浮かび上がる木の格子を見つめていた。長い前髪が視界を遮り、頬にまとわりついても、払いのけようとはしなかった。動けないというより、もう動く必要を感じなかった。
このまま放置されてしまったら――。
その想像が、弥生の中でゆっくりと形を持ち始めた。今夜、あの男と会うことは誰にも伝えていない。この牢の中で、男以外の誰にも知られず、ただ縛られたまま忘れ去られてしまうのではないか。その不安を声にすることもできず、猿ぐつわに封じられた口の奥から、再び胸の内へしまい込むしかなかった。
気がつけば、弥生の意識はぼんやりと霞み、瞼も重くなっていた。ふっと体から力が抜け、支えを失った頭が、そのまま前へ落ちそうになる。慌てて首に力を入れたが、それも長くは続かなかった。
眠りは、弥生の体に残されていた力を、一つずつ静かに奪っていった。
肩から力が抜けると、白い襦袢には細かな皺が生まれ、浅い呼吸を重ねるたび、その皺は背中の中央へゆっくりと集まっていった。
やがて重くなった頭が垂れ、弥生は力なく体を前へ屈めていった。縄に体を預けるほど両肩はわずかに後ろへ引かれ、それにつれて、背後に重ねられた両腕も背中の中央へ寄せられていく。

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