この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
監禁願望の女
第6章 眠りの奥――体の記憶
もはや自由に動かせるのは、首しかなかった。そのはずだった。しかし、弥生の意識は、かえって猿ぐつわの存在感へと、逃れようもなく引きずり込まれていた。彼女は首を大きく左右へ振った。その動きに、後ろでねじり上げられた髪が解けて散り、こぼれ落ちた長い一房が幾度も両頬を行き来した。
口元を覆う白い布は、吐き出される熱気で温められていた。吐き出せなかった言葉は湿り気へと変わって布に吸い込まれ、今では頬まで濡らし、肌へ密着していた。
だが、どれほど体温と湿度で濡れても、舌の上に乗る結び目だけはどこまでも固く、存在感を失わない。どうにか押し出そうと舌を動かし、奥歯で固く噛みしめる――その瞬間、顎から頭の芯へと抜ける鈍い圧迫感に、弥生の体が少しだけ震えた。
初めはただ外したい一心だった。けれど、繰り返し深く噛みしめるたび、口内に広がる独特の重圧感は、時間を経るごとに恐ろしいほど体へと馴染んでいく。強く奥歯を噛むたびに、脳裏が痺れるような心地よさが滲み出し、彼女は自分でも気づかぬうちに、自らその結び目を何度も深く噛みしめていた。
外したい気持ちが、いつしか拘束を噛みしめる甘美な行為へと変わっていく。舌を這わせ、固い結び目を確かめるたび、快感とも諦念ともつかない熱が全身を侵食していく。
頬に張りつく湿った布と黒髪の隙間で、細い喉が短い間隔で小さく上下を繰り返していた。眉を悲痛に寄せ、濡れた瞳をさまよわせながらも、彼女は口中の異物がもたらす熱い痺れと、自らそれを噛みしめてしまう屈服感から、もう逃れられなくなっていた。
口元を覆う白い布は、吐き出される熱気で温められていた。吐き出せなかった言葉は湿り気へと変わって布に吸い込まれ、今では頬まで濡らし、肌へ密着していた。
だが、どれほど体温と湿度で濡れても、舌の上に乗る結び目だけはどこまでも固く、存在感を失わない。どうにか押し出そうと舌を動かし、奥歯で固く噛みしめる――その瞬間、顎から頭の芯へと抜ける鈍い圧迫感に、弥生の体が少しだけ震えた。
初めはただ外したい一心だった。けれど、繰り返し深く噛みしめるたび、口内に広がる独特の重圧感は、時間を経るごとに恐ろしいほど体へと馴染んでいく。強く奥歯を噛むたびに、脳裏が痺れるような心地よさが滲み出し、彼女は自分でも気づかぬうちに、自らその結び目を何度も深く噛みしめていた。
外したい気持ちが、いつしか拘束を噛みしめる甘美な行為へと変わっていく。舌を這わせ、固い結び目を確かめるたび、快感とも諦念ともつかない熱が全身を侵食していく。
頬に張りつく湿った布と黒髪の隙間で、細い喉が短い間隔で小さく上下を繰り返していた。眉を悲痛に寄せ、濡れた瞳をさまよわせながらも、彼女は口中の異物がもたらす熱い痺れと、自らそれを噛みしめてしまう屈服感から、もう逃れられなくなっていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


