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監禁願望の女
第6章 眠りの奥――体の記憶
「刺激的だね……」

耳元で静かに囁かれたその言葉に、弥生の体はゾクリと痺れるような熱に侵されていく。応えられない口元と束ねられた足首の感覚を忘れるかのように、彼女の腰は意志を超えて、誘われるように滑らかな動きを何度も繰り返していた。

「甘噛みのことは教えてくれたのに……このことは話してくれなかったんだね……」

その囁きに弥生の体が過剰に反応する。必死に否定しようと、背後に固く縛り合わされた手首を動かそうと力が入った。途端に、彼女の体を締めあげる縄の束がギシギシ……と鈍い軋み音を立て、逃げ場のない現実を惨めに主張する。

「甘えたくなると……よく耳たぶを噛んでくれたよね……」

拓海の指先が、懐かしい愛撫の記憶をなぞるように弥生の耳を撫で上げていく。指がなだらかな輪郭をすべり、敏感な耳の裏側へとしなやかに回り込んだ瞬間、電気でも走ったかのように彼女の体がビクンと大きく跳ねていた。

「いつも弥生が満足してくれていると思っていたけど……」

拓海からまっすぐな眼差しで見つめられ、弥生は逃れられない金縛りに遭ったかのように、ゆっくりと彼の瞳へ視線を合わせていた。

「本当は……エッチしている時……こんなことをされるのを想像していたんだね……」

弥生は体を揺らし、彼の言葉にすがるように首を横に振っていた。

「でも弥生……俺はこんなギチギチに縛られた弥生を見て……どうしてあげればいいか……分からないよ……」

拓海の困惑を含んだ声音が、静かな夢の世界に優しく響く。

弥生は口元の猿ぐつわを無力に噛みしめたまま、声にならない叫びを胸の奥へ響かせ、ただ(拓海……)と、彼の名前を呼び続けていた。

「この縄を解いてあげたいけど……それは弥生の望みではないんだよね……」

拓海の視線が、白い襦袢を這う縄筋や、その下に浮かび上がる輪郭へ伸びるたび、弥生は体の奥から湧き上がる熱い痺れを、もう否定することができなかった。

「ン……」

声にならない否定の喘ぎは、ただ喉の奥を震わせる情けない吐息となって、猿ぐつわの結び目に潰されていった。
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