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監禁願望の女
第7章 生贄Ⅰ
弥生は俯いていた顔をゆっくりと上げた。ぼんやりとしていた瞳に男の姿を映し、静かに、小さく頷いた。
完全に自由を奪われ、猿ぐつわの結び目を噛んだまま自分を見上げる可憐な姿に、男の口元が緩んだ。胸の奥には、暗い熱が静かに広がっていった。
「もうすぐ夜が明ける……」
その言葉に、弥生の切れ長の目がわずかに見開かれた。
「上で休むか……?」
弥生の視線が、男の指先へ落ちた。先ほど、その指が鼻先へ触れたことを、彼女は見逃していなかった。次に目を伏せた先には、横へ崩した両脚と、乱れた襦袢の裾があった。
弥生はもう一度男を見上げたが、首を縦には振らなかった。
弥生は猿ぐつわの結び目を強く噛み、大きく息を吸い込んだ。頬を締める白い布がさらに張る。それでも口元の力は緩めず、両肩からだけ、ゆっくりと力を抜いていった。体を縄へ預けるように少し前へ傾け、近づいてくる男の姿をしっかりと見ようと、静かに目を凝らした。
男は錠前へ鍵を差し込み、ゆっくりと回した。
乾いた金属音が地下の静寂を鋭く引き裂き、弥生の耳の奥を震わせた。
錠前が外れる硬い音。角材の閂が引き抜かれる鈍い摩擦音。そのひとつひとつが、閉ざされた牢の中へ響き渡った。
やがて、小さな格子戸が低く軋みながら開いていった。
二人を隔てていた最後の境界が消えた。
完全に自由を奪われ、猿ぐつわの結び目を噛んだまま自分を見上げる可憐な姿に、男の口元が緩んだ。胸の奥には、暗い熱が静かに広がっていった。
「もうすぐ夜が明ける……」
その言葉に、弥生の切れ長の目がわずかに見開かれた。
「上で休むか……?」
弥生の視線が、男の指先へ落ちた。先ほど、その指が鼻先へ触れたことを、彼女は見逃していなかった。次に目を伏せた先には、横へ崩した両脚と、乱れた襦袢の裾があった。
弥生はもう一度男を見上げたが、首を縦には振らなかった。
弥生は猿ぐつわの結び目を強く噛み、大きく息を吸い込んだ。頬を締める白い布がさらに張る。それでも口元の力は緩めず、両肩からだけ、ゆっくりと力を抜いていった。体を縄へ預けるように少し前へ傾け、近づいてくる男の姿をしっかりと見ようと、静かに目を凝らした。
男は錠前へ鍵を差し込み、ゆっくりと回した。
乾いた金属音が地下の静寂を鋭く引き裂き、弥生の耳の奥を震わせた。
錠前が外れる硬い音。角材の閂が引き抜かれる鈍い摩擦音。そのひとつひとつが、閉ざされた牢の中へ響き渡った。
やがて、小さな格子戸が低く軋みながら開いていった。
二人を隔てていた最後の境界が消えた。

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