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監禁願望の女
第7章 生贄Ⅰ
それなのに、体は縄に固定され、思うように身をよじることさえできなかった。どこへ逃がすこともできない不安だけが、胸の内側で膨らみ続けていく。
目元を覆う布の内側には、どれほど瞼を開いても何ひとつ映らない暗闇が広がっていた。その中で弥生に聞こえるのは、自分の浅く速い息だけだった。
不安は喉元までせり上がってくる。それでも声にすることはできず、男がどこにいるのかを確かめることさえできなかった。
背後で、板が軋んだ。
ギシ……。
弥生はすぐにその音へ顔を向けた。男が背後から離れたのだと思い、続いて聞こえた甚平の衣擦れへ耳を澄ませる。
けれど、次の軋みは反対側から響いた。
弥生は遅れてそちらへ顔を向けた。男が一歩動くたび、古びた板が低い音を返す。右へ、左へ。弥生はその音を追って首を巡らせた。
目隠しに覆われた顔は、いつも男がいた場所へ一歩遅れて向けられる。ようやく捉えたと思っても、足音が途切れた途端、その居場所は再び暗闇の中へ溶けていった。
音だけが頼りだった。
それなのに、その音さえ男の位置を教えたそばから消えていく。見失うたびに胸の内側が強張り、浅くなった息が、さらに速さを増していった。
目元を覆う布の内側には、どれほど瞼を開いても何ひとつ映らない暗闇が広がっていた。その中で弥生に聞こえるのは、自分の浅く速い息だけだった。
不安は喉元までせり上がってくる。それでも声にすることはできず、男がどこにいるのかを確かめることさえできなかった。
背後で、板が軋んだ。
ギシ……。
弥生はすぐにその音へ顔を向けた。男が背後から離れたのだと思い、続いて聞こえた甚平の衣擦れへ耳を澄ませる。
けれど、次の軋みは反対側から響いた。
弥生は遅れてそちらへ顔を向けた。男が一歩動くたび、古びた板が低い音を返す。右へ、左へ。弥生はその音を追って首を巡らせた。
目隠しに覆われた顔は、いつも男がいた場所へ一歩遅れて向けられる。ようやく捉えたと思っても、足音が途切れた途端、その居場所は再び暗闇の中へ溶けていった。
音だけが頼りだった。
それなのに、その音さえ男の位置を教えたそばから消えていく。見失うたびに胸の内側が強張り、浅くなった息が、さらに速さを増していった。

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