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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
「おかしいでしょう? 
私、マザコンだったの。
自分の母親にじゃなくて、お義母さんにね」

 あたしはしのぶさんの横顔を眺めていた。
まあおじさんと結婚していなければ、
なんの接点もない赤の他人。
そう考えると妙な感じ。
眉毛に隠れるように、小さなほくろがある。
長い睫毛。

「お義母さんのつくる煮物、すごくおいしいの。
私も教えてもらって同じようにつくるのに、
お義母さんと同じ味にならないの。
不思議だったわ」

 しのぶさんが、白い布団の上にそっと手を乗せる。

「私、雑な性格してるから、
掃除とかも雑になっちゃって、
お義母さんによく小言を言われた。
でもお義母さんの言い方って、
なんていうか全然嫌みがなくて、
奥にしっかりと優しさが潜んでいて、
全然腹が立たないの。
お義母さんの反応がおもしろいから、
思わず反論したくなっちゃうくらい。
お義母さんと遠慮なく話ができて、
腹に納めないで好き勝手言い合いして、
口喧嘩するのが楽しくて、
時にはわざと不味い料理つくって呆れられて、
口論のきっかけにしたりして」
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