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素敵な笑顔
第14章 詩 そのとき
「お義母さん、お茶よ。
今日はケチらずにいいお茶淹れましたからね」

 おばあちゃんを見るしのぶさんの目は、
オーロのように無垢で優しかった。

「あら、もう飲めなくなったからいいお茶淹れてくれたのかしら、
って声が聞こえましたよ。ふふ、その通りです」

 姿勢よく正座で座り、静かに言う。
髪を後ろで束ねて、
風景の一部のようにこの部屋に馴染むしのぶさん。
同じ洗剤柔軟剤を使うから当たり前なのかもしれないけど、
しのぶさんはいつもおばあちゃんと同じ匂いがしていた。

 隣でしのぶさんが大きく息を吸い込み、
ゆっくり吐き出した。
最後のほうは、息が震えていた。
鼻をすすり始め、目にいっぱい涙を溜めていて、
あたしと目が合うと、えへへ、と照れくさそうに笑った。

「いつかお別れの日がくるって、
ずっと覚悟してたのよ。
だから笑顔で送ってあげられる自信あったのに、
やっぱりだめね……」

 おばあちゃんの白い布を見ながら言う。
ずっとおばあちゃんを見たまま、
しのぶさんはあたしに語り掛けていた。
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