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素敵な笑顔
第15章 音 ドール
 初めて出会ったまあおじさんの妹の美香さんは、
とても素敵なひとに見えた。
母親を心から愛しているのがすごく伝わってきた。
夫の銀一郎さんも、優しくて温かみのあるひと。
おばあちゃんのまわりには、素敵なひとばかり。
おばあちゃんの人徳なのかな、と思う。
そしてそのあとに出会ったあのひとも――

 まず最初に、耳の奥で、
こーんと澄んだ綺麗な音が聞こえた。
まあまあの音量だったのに他の誰も反応してなかったので、
わたしだけ聞こえたみたい。
耳の奥の残響を意識していると、
産毛が逆立っていくような感覚があり、
心地よい温かさを感じた。
今までに経験のないことで、
なにこれ、と思っていると、
廊下の角のところがふわーと明るくなったように感じて、
その角を曲がってあのひとが現れたのだった。

 一瞬、性別がわからなかった。
見た目は完全に女性なのに、
ほかの女性の波動と、どこか違っていた。
見ている世界が違うような。
熱いのに冷たく、硬いのに柔らかい、
苦いのに甘い、そんな複雑な印象。
混乱していると、美香さんがそのひとを、
詩子、と呼んで抱きついていった。
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