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素敵な笑顔
第15章 音 ドール
 でもなんだろう。
どこかで出会っている気がする。
そんなに昔じゃない。
なんなら最近。
見覚えがあるような気がする。
なぜだろう。

 そのとき不意に、左後方から強く視線を感じた。
まさか霊が部屋に入ってきたのかと、
驚いて動けなかったけど、
すぐにそうじゃないってわかった。
ここだよ、と意識させる気配に邪悪な感じは微塵もない。
むしろ優しい。
まるで、そう、おばあちゃんの気配のような。
おばあちゃんが来てくれたのかと、
思うより先に振り向いていた。
でもおばあちゃんはいなくて、
気配も消えてしまって、
特に変化のないわたしの部屋があるだけだった。
でもわたしは見ていた。
しっかりと姿を捉えていた。
わたしに視線を投げ掛けていたもの。
ここだよ、と語り掛けてきたもの。
おばあちゃんがくれた、あのドール。

 あ、と思わず声が出た。
詩子さんを見覚えがあると思った答えが、そこにあった。
白に近い金髪を黒く染め、
緑の瞳を黒に代えれば、
たぶん、きっと詩子さんと瓜二つになる。
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