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素敵な笑顔
第16章 詩 出棺
 「おはよう、眠れた?」

 嗄れた声。

「うん。しのぶさんは?」

 いつも使わせてもらっているマグカップを、
食器棚から出した。

「私はほら、寝ずの番てやつよ」

「あ、ごめん。あたし、ぐっすり寝ちゃってた」

 なにも考えずに普通に寝てしまった。
八時間くらい、たっぷりと。

「ああ、いいのいいの。勝手にやっただけだから。
昔のことで、今はしなくてもいいって話だからね」

 沸いていたお湯を、
しのぶさんがカップに注いでくれる。
インスタントコーヒーの香り。

「今夜はあたしが起きてるよ。
しのぶさんは寝てね」

「別にする必要ないのよ」

「うん。あたしも、勝手にやるだけだから」

 自分の分をカップに注いでから、
しのぶさんはにっと笑い、
あたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
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