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素敵な笑顔
第16章 詩 出棺
 すぐに出棺となり、クジラみたいな、
やたらと長い車に、おばあちゃんの棺は乗せられた。
ひとりだけ同乗できるとのことで、
まあおじさんが助手席に乗り込んだ。
長いクラクションの後、鈍重そうに走り出す。
近所のひとたちが玄関先に出て、
合掌して見送ってくれている。
戸締まりをして、あたしたちも斎場へ向かった。
お父さんの車の後部座席、あたしの隣が空いているのに、
彩音はしのぶさんの車に乗り込んだ。

 斎場は街中から外れた山の中腹にあった。
無駄に大きい駐車場と、
不思議と一目で斎場だってわかる建物。
駐車場のまわりには桜の木が等間隔で植えられ、
六地蔵も据えられている。
すごく静かな、
時間が止まってしまっているような場所。
少し遅れて到着したしのぶさんが、
彩音の肩を抱くようにして歩いてくる。
彩音はずっと下を向いている。
負傷兵みたいに。
山道が少しくねくねしていたので、
車に酔ったのかなって思った。
しのぶさんにぴったりとくっつく彩音を見ていると、
なんだか胸のあたりをぐうっと押されている感じがする。
なぜだかわからないけど。
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