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素敵な笑顔
第17章 音 キス
「ほらまた。やめて。
あたしがいじめてるみたい」

 わたしは、いじめられている気がし始めている。

「しのぶさんに聞いたわ。見えてるんでしょう?」

 詩子さんに聞かれ、わたしは頷いた。

「今も、ここらにいるの?」

「はい、いっぱいいます。
うじゃうじゃいます」

 小声で答える。

「どんなのがいるの?」

 わたしが声を落としたからか、
詩子さんも小声になった。
聞こえるようにと顔を近づけられて、
心臓がどくんと跳ねたのがはっきりとわかった。

「色んなのです。大きいのから小さいの、
大人も子どもも、男も女も」

 へえ、と言いながら、きょろきょろしている。
見えないのが羨ましい。
見えなければ、無駄に怯える必要もないのに。
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